まるふ研究所について 1999年

誕生日とか仕事とか乗せても、実際の当人が全く見えないので
読書感想文のページにすることにします。
以下の文を読んで、こんな奴だ、と思っていただければ、こちらの意図通りな訳です。


外見だけで人を判断する技術 渋谷昌三 (99/12/27)

   人の外観には、その人の思想傾向が出るもので、そのからその人の思想傾向を逆に推測する本。

   その推測内容としては、まあ、普通。うなづける内容も多いが、逆に言えば、意外な真実は隠さ

   れてなんかはいないって事。

   本屋さんで立ち読みで済ませれば良かった・・・。

   ちなみに、『青を好む人は、内向的です。常に内省し、客観的に物事を考え、判断しますから、

   周りからも信頼されているでしょう。』だって。なんか、星占いみたい(^o^)。


黒い家 貴志祐介 (99/11/08)

   恐い物語である。

   勿論物語の内容自体も恐い。が、本当に恐いのは、この物語が現実に起こりうるという恐さだ。

   10年前に読んでも、そういった意味での恐さは全く無かったと想う。だが、今の時代は、この物語が実

   現性を体感し得る。恐い現実の中に生きている、という恐さを知らしむる恐さがある。


パソコン「超」仕事法 野口悠紀雄 (99/11/05)

   『ドキュメントは新しいもの順に並べよう』っていう管理法を編み出した人のパソコン利用法紹介本。

   PCファイルの管理も同様に新しいもの順に並べるのが良い、って書いてますけど、お仕事の内容によっ

   てはそうもいかないもんです。私の場合、新しいドキュメントがどんどん出来るのでは無く、既存のファ

   イルをどんどんアップデートしていく作業の方が多いんで、あんまり参考にはならんかな、と。

   ただ、紙のドキュメントは、以前のこの人の本を読んだ時から、どんどん上から積んでいく管理法になり

   ましたね。探すのは確かに楽ですね。

   

   どっちかって言うと『パソコンでも出来る仕事・パソコン向きの仕事』という考え方の方が面白いです。

   普段何気にお仕事してますけど、パソコンでやった方が速い作業はパソコンにやらせた方が良いし、人間

   向きの作業は人間がやった方が良いんですな、後者は先ずありませんが。

   そんな訳で、如何に楽に仕事をするか考える毎日です(^o^)。


ペルソナ2 〜罪〜 アトラス (99/09/19)

   結局自分がメガテンに何を求めているのかって言うと、敵を交渉に因って使い魔に出来るって事と、その

   使い魔を合体させる事によってより強い使い魔に出来るって事だった様です。

   登場悪魔がクリシュナやらカーリーで無く、ホイミスライムやらグレーターデーモンであっても、上記の

   使い魔システムが健在であれば、私は楽しんでプレイ出来ると想います。

   女神異聞禄では、使い魔システムは無くなってしまってましたが、敵と交渉によって、その分身とも言え

   るべきものを入手できていた為、多少誤魔化されてはいました。が、今回の登場悪魔はタロットカードの

   枚数以外の違いが無くなってしまいました。ここまではっきりされると、もう駄目ですね。

   

   後、『END』の文字を数秒で消してしまうのは止めて欲しかった。そりゃ、あの文字を5分以上眺め続

   ける人種に配慮してくれたんでしょうけど。


エクソシスト ウィリアム・ピーター・ブラッティ (99/08/15)

   名前だけは知っていて、実は全く内容を知らなかったので、読んでみて、驚きました。

   少女が悪魔憑きになるのは当然として、それよりも、周りの登場人物の内面描写の方が多く面白く、キング

   等のいわゆるモダン・ホラーと同系列物語と言えそう。

   但し、この物語が他と異なるのは、そこに宗教が在る、という事。これは大きい。

   

   後半、悪魔払いが、『悪魔が憑依する目的は、憑依対象を傷つける事ではなく、周りの人たちの人間性を

   貶める事』と言う。これは分かり易い。

   ちなみに、憑依した悪魔の名はパズス。


スキップ 北村薫 (99/07/24)

   女子高生が前向きに健気に頑張る物語。

   なんて言うか、この健気さが良いよね。と、言うのは30も過ぎたオヤジの印象なんでしょうな。

   国語教師の魅力っていうのも良く出ていて良い感じ。そういや、俺も現国好きだったな〜と当時の事を

   思い出したりなんかしました。

   

   高村薫ってこんな小説も書くんだな〜、と最後の方まで思ってました (^o^)。

   あれ?高村薫は女だけど、北村薫は男だ。んぢゃあ、女子高生が主人公の物語をオヤジが書いてる訳か。

   そりゃ、オヤジ受けが良い筈だよ、この本 (^o^)。


シャドウ・ムーン クリス・クレアモント (99/07/18)

   あの「ウィロー」の続編。10年も経って今になって、再開するなんて、一体どういったつもり?って気

   もしますけど、物語の中でも10年ちゃんと過ぎてるところをみると、最初から計算していたのか?

   前作(映画ね)は、わくわくどきどき感あふれる映画で、私の好きな映画の一つです。

   でも、この続編は、どうもわくわくしない。何故かって考えてみると、前作は困難を乗り越えてバブモル

   ダの城を目指す物語で、今回は後半に入ると逃げ回ってばかり。辛いシーンの連続なんですね。

   一つ逃げ切っても、また追いかけられるといった感じで、読者が休まる暇がありません。

   あと、二冊続くらしいですけど、前作の様なわくわくどきどき感が復活するのか心配です。


夢にも思わない 宮部みゆき (99/06/22)

   一応、「今夜は眠れない」の続編。

   でもテーマ的には、えらく濃くなって犯罪を犯す人の価値観とか罪悪感とかについて書かれている。

   今の日本では、個人個人の趣向の多様化が当然の流れになって来て、価値観も人によって全く異なる

   様になって来ている。つまり、犯罪の動機も多様化し、周りの人間には理解出来ない様な動機の犯罪

   が増えて来ているという事なのだ。

   それは勿論、良い悪いを決めるべき事でも無い。でも、理解出来ないという事に対して寂しく感じて

   しまう。

   宮部みゆきの本にしては、後味悪過ぎ。直前に「ステップファザー・ステップ」なんか読んでたから

   尚更。


きのね 宮尾登美子 (99/04/16)

   耐えに耐える女の物語。

   宮尾登美子の物語って、途中が辛過ぎるから、最後には報われて欲しいと想いつつ、読み続けてしまう。

   しかし、なんで、こんな主人公に自分がひかれるのだらう、と思うのだが、自分を慰めているのか、或い

   はこんな嫁が欲しいのか、はたまた両方なのだらうか。

   それでも、辛さに耐えている主人公を見ていると、自分も元気づけられるのは確か。

   古いタイプの人間なのかな〜とか思ったりもするが、それもまた良しだね。


人はなぜ、足を引っ張り合うのか 齊藤勇 (99/03/13)

   会社の中の人間関係について書かれた本かと思いきや、実は社会心理学について分かり易く解説してくれ

   ている本。

   人間の心理が、外部からの影響や置かれた立場によって、どの様に動くかという点について、実験結果を

   交えて説明してくれている。

   意外だったのは、実験結果から、「大抵の人ならこの様な考え方になる」という事例が多い、と言う事。

   これらの事実を実際の集団意識操作に使って行くのは難しいかもしれないが、言い訳には十分役に立つ。


コインロッカー・ベイビーズ 村上龍 (99/02/27)

   破壊と創造の物語。

   全てのモノから捨てられたから、全てのモノを破壊する権利がある、というのは良く分からない。

   自分が作ったモノを破壊する権利は有すると思うが、他人が作り出したモノを破壊する権利は、他人には

   存在しないと思うのだ。

   本文にも描かれている様に、創造には多大な苦しみが伴う。その事を知っていれば、他人が作り出したモ

   ノを破壊するだなんて、とても出来ない。


パーフェクト・ブルー 宮部みゆき (99/02/16)

   主人公?が犬、と言うか、犬が語る物語。処女長編から相変わらず宮部節なのは当然か?

   「連帯責任」が間違っている、とは思わないが、「連帯責任」が及ぶ範囲についてはこの題材については

   宮部みゆきの提示する様に、私も怪しいと思う。

   「連帯責任」を取らないで、一体誰が文句を付けるのだらうか?一度そいつの顔を見てみたいものだ。

   若しかすると、単なる疑心暗鬼かも知らんしね。


五体不満足 乙武洋匡 (99/02/14)

   障害を持つ人からすれば、普通に接して欲しい、というのは良く言われる事。

   ある程度知恵の付いてしまった人間にとっては、やはり障害を持つ人に普通に接するのは難しい事だと思

   う。そうなると重要になるのがやはり教育。勿論、普通に接する事が出来るようになる為の教育である。

   この本は有効な教科書になると思う。


ソラリスの陽のもとに スタニスワフ・レム (99/02/13)

   人間の想像を絶する生命体?ととの、接触物。

   にしては、メロドラマ風になっているが、昔のSFは不幸な未来物が主流だったので、当然なのかも。

   『広い宇宙では何が起っても不思議では無い』というテーマは今となってしまっては、珍しくもなんとも

   無いが、私が生まれるよりも前に、この物語が生まれている事は、驚くべき事なのかも知れない。


今夜は眠れない 宮部みゆき (99/02/03)

   直木賞を受賞して、本屋に平積みが一杯の宮部みゆきです。

   実弾、勝手に持ってっちゃ駄目ぢゃん、とか、そんな簡単に逃亡できちゃうの?とか思いそうですけど、

   視点が「誰が何の為に仕組んだのか?」という点に重点を置いているので、あんまり気にならないです。

   物語の根底に「人情」が流れているのが、宮部みゆきのいいところなのかも。

   別に浮気常習犯の旦那を認めている訳ぢゃ無いよ。


リーダーシップの心理学 国分康孝 (99/01/31)

   人間集団を統率して目標を達成する為の技術(!)について書かれている本。

   人間相手に技術というのは難しいが、それでも、統率出来る奴はそれなりの技術を持っていると分析出来

   る訳だ。冷静に人間味のある判断をするって凄く難しい事だよね。どうすれば、人情のある人間として周

   りが評価するかを冷静に考えながら行動する。うわ〜っ、嫌な奴(^o^)。

   フォロワーシップなる言葉があるらしい。詰り集団の一メンバーとしての取るべき行動、と言う事だ。

   そんな事考える奴、いないって。けど、いたらやり易いだらうな〜。


こいつらが日本語をダメにした 赤瀬川原平・ねじめ正一・南伸坊 (99/01/20)

   タイトルから推察出来る様に、日本語で楽しく遊ぶ本。

   色んな慣用句や諺から、好き放題に想像して好き勝手な事を対談している。

   楽しくていいね〜って感じ。ただそれだけ。けど、こういう本を読むと、日本語ネイティブで良かったな

   とか、思うね。


史上最強の人材評価システム 佐藤幸一 (99/01/16)

   「人材アセスメント」なるグローバル・スタンダードの人材評価方法の紹介・説明の本。

   前半は、「人材アセスメントの手法は素晴らしい」論を主張しているだけなので、あんまり面白く無いが

   後半は、割と具体的な評価方法・評価ポイントの説明が為されていて、参考になる。

   だが、結局は、人材評価は、外部の特別な教育を受けたスペシャリストが行うべき、という事になってい

   る。そうなんだよね。内部の人間は利害関係もあったりするし、本来のお仕事で手一杯なんだから、多少

   お金を払ってでも、プロに任せた方が良いのだらう。

   けど、人材評価に高い金を払う事は、10年20年先を考えて人材教育を行える大企業にしか無理だね。

   どおしよっかな〜。


図解 部下指導 山際有文 (99/01/10)

   結局は、子供は親の背中を見て育つ、と言うことですね。

   自分に出来ないことを部下に要求しても駄目、自分の動いている様にしか部下は動かない。なら、自分の

   理想に向かって、自分が行動しなければならないっつーこった。

   当たりな一言「本当の意味の責任をとるとは、そもそも責任問題が生じないようにすることなのです。」

昔の読書感想文(誰も読まないって)